気軽に行ける仏教四大聖地・サールナート

こんにちは!
サンタナバラナシスタッフのゆーごです。


今回は歴史ライターでもあるゆーごが、バラナシ郊外の古代遺跡、仏教四大聖地の一つでもあるサールナートについてご紹介します。

日本では鹿野苑(ろくやおん)とも呼ばれるこのサールナート、一体どんな所かというと、仏教の開祖ブッダが悟りを開いた後、最初にお説法をした場所なんです。


今から2千数百年前、ブッダガヤでの長い長い瞑想を経てついに悟りを開いたブッダは、その内容をかつて共に苦行に励んだ5人の修行仲間に聞いてもらおうと、このサールナートを訪れました。
5人の名前はコンダンニャ、アッサジ、マハーナーマン、バドリカ、そしてヴァシュフ。
五比丘とも呼ばれる彼らは、一説にはブッダの父スッドーダナが息子の身を案じて彼のもとに遣わしたとも言われています。


しかし5人ははじめ、久しぶりに会うブッダを歓迎しようとはしませんでした。
修業時代、後にブッダとなるゴータマ・シッダールタは、誰よりも激しい苦行や過酷な断食を行って皆の尊敬を集めていたにもかかわらず、ある日突然それをやめてしまったからです。
シッダールタはこのまま苦行を行っても真理を見つけ出すことなどできないと悟ってそれを止めたのですが、修行仲間にはそれを理解することができませんでした。
これまで尊敬するシッダールタに付き従い、共に過酷な苦行に励んできた5人。
そんな彼らの目には、シッダールタが苦しさに耐え切れず、真理の探究を諦め堕落してしまったように映ったのです。
それまでの尊敬が大きかった分、その失望の深さは計り知れないものでした。


しかしそんな冷たい視線をよそに、ブッダは5人に語りかけます。
みんな、聞いてくれ。僕が子供の頃からずっと抱いていた疑問。考えても考えても、どうしても解けなかった疑問の答えが、ついに見つかったんだ、と。
彼が抱いていた疑問。それは「人はなぜ、こんなにも苦しまなければならないのか? どうしたらそれを克服することができるのか?」というものでした。
ブッダは続けます。人生において苦しみを避けることは決してできないこと。その苦しみを生み出す原因は何かということ。その原因を絶てば苦しみを克服することができること。そしてその原因を絶つためにはどうすればよいのかということ。


初めはブッダを相手にしなかった5人も、これまで誰も聞いたこともないその内容に、次第にのめりこんでゆきます。
やがて話が終わると、彼らはブッダが未だかつて誰も到達しえなかった真理を解き明かしたことを知りました。
そして5人はブッダの教えに帰依し、彼の最初の弟子となったのです。


さて、そんな出来事の舞台となったサールナートは、現在遺跡公園となっています。
中でもぜひ見ていただきたいのが、ブッダがまさに最初の説法(初転法輪)を行った場所にたつといわれる「ダメーク・ストゥーパ」。
そして付属の考古学博物館に所蔵され、最初のお説法の様子を表した「初転法輪像」。5世紀ごろの作と言われるこの仏像は、インド仏教芸術の最高傑作とも言われています。


さらにこの博物館には、インド亜大陸を初めて(ほぼ)統一し、仏教を篤く信仰した帝王アショーカが建てた石柱も所蔵されてるんです。
「なにそれ? 知らない」という方。いいえ、インドに来たなら絶対に目にしたことがあるはず。
インドのコインの裏に描かれた、あの有名なライオンの像ですよ。


サンタナバラナシでは現在、車をチャーターしてサールナートへ行くサールナートツアーを催行しています。
バラナシを訪れる際には是非、立ち寄ってみてくださいね。


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