サンタナ創業者のお葬式 前半


皆さま、今回も坂本です。サンタナ創業者であるC.S.ダッシュ氏のお葬式が昨日
執り行われました。前半は基本的に親族が集い沐浴場にて氏を送ります。



グランドロード、ジャガンナート寺院とは逆方向にあるグンディチャ寺院の裏側にある
沐浴場が会場です。かなり大きな沐浴場で200メートル四方くらいあります。近くに
お葬式をする小屋があります。



ヒンドゥでは亡くなられた後10日間家族は1日1食になり外出やオシャレなどを
控えます。近親者の男は髭を剃り爪を切り髪も少し切ります。息子達は髪を剃りあげ
ます。亡くなった人に何もできないけど自分の身体の一部を捧げるという意味が
あるのです。親戚以外にも極近しい友人や職場の人も参加します。



女性は爪を切ると共に足の裏や側面に赤い塗料を塗ります。ヒンドゥで赤色は女性が
結婚式などで用いる色ですが、10日の喪服期間が終わった印になります。男には男の
床屋が、女性には床屋の奥さんが処置を行います。親戚が多いので髭剃り待ちが長蛇の
列です。



その一方で脇ではごま油を薪にくべます。私達が会場に到着した時にはクンナは既にこの
儀式は終えていました。写真は別の家族の葬儀を撮らせてもらったものです。父の死後4日目から
10日目まで7日間、毎日長男は沐浴場に足を運び沐浴場からの水でご飯を作ります。


10日目はご飯を作った土器に油を入れその油に火が着くまで薪をくべます。火が着くと
お父さんの魂が油に入ったということになります。



その油の近くバナナの葉の載せたお供え物。上に泥で人型を作り頭と両手足に藁を指しお腹には
遺灰をいれます。故人を型取るのです。周りにもバナナや花が供えてあるのはご先祖様のための
ものです。


長男は7日間お坊さんと床屋さんとこの場所に赴きご飯を作りお坊さんにお経をあげて
もらいます。床屋さんは火が消えないようになどのお手伝いをしてくれます。長男は
ナイフ一本とご飯を作る器のみ持参しそれも毎日変えてはいけません。服も10日目まで
同じドーティを着ます。



魂が入った油を池に運びます。その油を池に流すことで魂を次の現生から次のステージに移った
印です。池の中に入り勢いをつけて棒でもって打ち下ろします。



油に火が着き、一気に炎が燃え上がります。その瞬間に池に飛び込むので無事です。
これも全て長男の役割になります。



池の上では親戚の方々が髭剃りや爪切りをやってもらっています。角になっており全員の撮影は
できませんが、セカール氏の人柄からでしょう。列席者はどんどん増えていきます。これで近親者
だけというのですから。ゆうに100人は超えていました。



最後に息子達が剃髪しますが一番最後は長男のクンナになります。
「そろそろ俺の番か〜。坂本と一緒になっちゃうか〜。」とフォクナ。



フォクナの剃髪が終わりました。10日間剃らなかった髭も剃りすっきりです。以前のお葬式では
誰もしゃべってはいけなかったそうですが、最近はそういった習慣も変わってきたとのことです。
私自身結婚式は何度か出席させてもらった経験がありましたが、お葬式は初めてで緊張しっぱなし
でした。しかし予想に反して以外におしゃべりもそしてちょっとしたジョークやユーモアも
あるような現場でした。


私とフォクナがしゃべっているのを見てクスクス笑う人も多くいますし、フォクナもそれに
応戦していました。



長男のクンナが頭と髭を剃り終え沐浴することで近親者も沐浴し服装も変えて
お葬式を終えることになります。遅れてきた人たちのためにクンナも頭は剃りあげ
口に下の髭だけ残しておくことでその人たちを待っていました。



クンナの沐浴です。この頃には皆新しいドーティとガムチャに着替えています。
男女は別れて沐浴します。沐浴することで穢れを払います。それまで着ていた
服は床屋さんにあげることになります。これで近親者のみの儀式は終わります。


この儀式まで家族のメンバーは外に出ることを控えなくてはならないのです。
これで穢れを落とすことで近隣の人や友人も故人の家族に会うことができます。


儀礼を終えたクンナは
「10日間誰とも会うことができないので遠くの親戚や友人など周りの人に助けて
もらったし、床屋など昔で言うカーストが下の有難さも感じた。そういった
ことも昔の人は考えたのかもしれない。近しい人の死という災害時に助け合う
大切さを知りなさいと。」


クンナさんのこの言葉で終わろうとし ましたが、フォクナが見て一言。


「あんたがそろった坊主4人の写真載せてや」と


僭越ながら



セカール氏のご冥福をお祈り申し上げます。





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