歯磨き粉は誰のもの
コルゲートが1873年に発売して以来、世界中で歯磨き粉はチューブの中に入っている。
それまではガラス製の容器に入っていた。
では歯磨き粉が現在の姿をとる前は?
2010年の夏、コルゲート社は革命的なまでに歯がきれいになる粉の特許を取得した。
その成分表を見て、インド人が怒った。
クローブの油、樟脳(しょうのう)、ブラックペッパーにスペアミント…
要するにインドでは何百、もしくは何千年前から伝わる民間療法(カッコ良くいえばアーユルヴェーダ医薬品)と同じ成分だったのだ。
その特許をとって、これから同じものを作るならコルゲートにお金を払え?
何を言ってるのだ?
もちろんコルゲート社は新しい成分を付け加えていて、これはオリジナルだと主張している。
歯磨き粉が現在の姿をとる前は、世界中でどうにかしていた。
日本でも、インドでも。
チューブに入っている今、便利になったのは間違いない。
でも『この歯磨き粉は僕のもの!僕が作った!』という権利を、
コルゲート社が持つているとは思えないのだ。