震災復興に向け

この度の、東北地方太平洋沖地震災害により、お亡くなりになられた方々の
ご冥福を心よりお祈りいたします。また行方がわからない方が一刻も早く
救助されることをただ祈ると共に、被災された皆さま、ご家族の皆さまに対して
謹んでお見舞い申し上げます。


一日も早いご復興を心より祈念しております。



2011年3月11日の東北関東大震災。この日を境に、日本の未来は大きく
変わりました。未曾有の事態と言って良いでしょう。私は今年で33歳になりますが、
このような日本の状況を見るのは生まれて初めてです。


菅首相は、戦後65年で最大の危機、と表現しました。情報があまりに膨大で
正確に把握できそうになくてもそれは納得してしまいます。特にインドに駐在しており
情報の取得方法が限られてはいるものの、文字や画像から伝わってくる圧倒的な
惨状に呆然としてしまいます。


原発もまだ予断を許さない状況です。
最後は自己判断・自己防衛になってしまうのでくれぐれも情報をしっかり集めて
まずご自身・親近者の安全を第一に行動して頂きたいと思います。


今はただ被災者のご無事を祈念するばかりです。
震災の情報を集めていると、ただ無力さに打ちひしがれそうにもなる自分がいます。
また現場で雄雄しく頑張っている人たち、心から応援する人たちの姿にただ感傷的に
なってしまいそうな自分もいます。


ただそのように絶望に打ちひしがれることも、ただ感動の涙を流しているだけでも
あまり意味がありません。偶然にも震災を逃れることができた我々は、できる
ことを考えるしかありません。あまりの膨大のできないことに囲まれていますが、
ただ前を見てできる小さなことに全力を傾けるしかないのだと思います。


特別な知識やスキルを持ち合わせていない我々にとっては恐らく平素の活動を
しっかりすることだと思います。使命感と責任感をもって自分の活動に取り組み、
復興を間接的にであれ進めることだろうと思います。未来のために何ができるのかを
その日常の活動の中から導き出すことだと考えます。


インドの新聞にも載っていました。このような惨事においても取り乱すことなく、
自らすべきことに全力となり、自分だけでなく集団のことを考えて行動できる
日本人の特質を褒め称える文章です。そういった先達からの素晴らしい
長所を引き継ぎつつ、自分たちの日常の活動に一生懸命取り組みたいです。


私たちサンタナ.グループのミッションは日本とインドの相互理解・相互利益を
追求し、相乗効果をもたらす豊かな社会を実現することです。


例えば


このような有事の際に、国が違ってもできることをしたいと心から心配し、
宗教が違えど真心からの祈りを捧げあう友人を作ることもその1つです。


インドという大地を訪れる旅人にとってまず安全に安らぎを提供し、異なる生活を
送る人たちと交流できる空間やその中でのエンターテイメントを作ることも
その1つです。


インドを訪れる若者に対して他者をしっかり知り、その上で自己を知る機会を
提供することでその成長を促進すること。未来を作っていく生命力と他者と
共存できる力をもった人間を育てることもその1つです。


インドの子供たちに日本語を学ぶ機会や日本人と触れ合う機会を作ることで
将来日本とインドの架け橋となる人材を育てることもその1つです。



3月11日以降どれだけのインドの方に心配されてきたことでしょうか。
私たち日本人スタッフの家族の安否を気遣ってくれた人、心から心配してくれた人、
祈りを捧げてくれた人、寄付を申し出てくれた人、ただ肩を叩き抱きしめてくれた人、
数えたらきりがないくらいです。


私たち日本人が思っている以上に世界は日本のことを考えてくれています。
今この文章を打っている時にもデリーの知り合いが電話をくれました。心から
気遣ってくれる言葉にやはり泣きそうになりました。それでも今は涙の時では
ないでしょう。ただ愚直にやるべきをやる時です。


我々インド・サンタナグループはその物理的な距離こそ離れていますが、
いつも日本と共にあります。


2011年3月18日 インド・サンタナグループ サンパルク企画
坂本尚人